「病院新幹線」構想について

logistician 荒井 尚之

平成30年6月14日

病院新幹線のイメージ画像

初めに、南海トラフ巨大地震が30年以内に70〜80%で起きると言われ、また震度7、津波10mを超える大津波が発生されると思われる。南は鹿児島・四国・近畿・東海までの広い震源域、また関東から九州地方にかけて太平洋沿岸の広い地域の大津波来襲が想定されている、先日のマスコミ報道の土木学会の被害状況からも大変な国難である。
これが発災した場合、各被災県単位の対応では、過去の大災害から見ても不可能と思われる。まさに、日本を半分に大別した東日本・西日本としての支援体制を構築しなければならない。

この大別として血液の供給している団体がある。日本では災害のプロフェッショナル「日本赤十字社」である。
西日本で災害が発生すれば、東日本で血液を供給でき、日本全体で大災害が起きても、血液を切らさない事だ。
この「日本赤十字社」の機能・システムが、大災害が発生した場合の基本だと私は思う。

それでは、「病院新幹線」構想(※ 右上写真はイメージ)とはどのような事なのか。以前、患者搬送列車の考えはありましたが、現在のような高速、遠距離交通の体系の考えがその時は有りませんでした。
現在の時代に即応したスピード・収容能力・搬送距離から、医療体制やインフラ機能をしている地域へと、多量傷者を移送する事が、大災害発災の時は必要ではなかろうかと思う。
私は、以前に海上自衛隊艦船の医務室の管理に携わっていて小手術台も兼ね、サプライヤー部門を設置した医務室のユニット化も可能である事を理解している。

病院新幹線の中に、この簡易ベッドを1車両4〜50人収容できるようにし、またトリアージ・手術室・処置室・経過観察室としての病院の機能が新幹線の中にあることです。
この列車後送計画と合わせて、患者の第2次患者集合点として、また救急処置・トリアージの場所として「駅」の機能を見直さなければならない事も付け加えて置きたい。
阪神淡路大震災の時、私は神戸の長田区へ医療チームとして派遣された時、新幹線も発災から数日で部分開通(被災地と地方都市が結ばれれば振分けが可能である事)した事。

また、その後の中越地震、昨年の熊本震災でも新幹線、在来線が早急に開通し道路交通網より鉄道の方が確実に2〜3日回復でき、JRの保守技術のレベルが高いことを評価したい。
この事から、国の集団災害医療支援の一考としJR新幹線また在来線、駅舎の機能にその使命がある事と、そのモデルとして「病院新幹線」試作車両のモックアップ計画を是非推進したいと思う。