ロジスティックとは

Logisticsとは、我々の災害医療支援活動を成功させるためにLogisticsを戦略的に確立しなければなりません。世界的なNGOs、国連機関、軍隊ではこの手法で活動をサポートしています。しかし、この手法を教えてくれるはずもありません。

ここでのLogisticsはLogisticsの基本である5W2Hで計画立案策定し、災害医療支援活動に於いては被災現場に患者集合点を設け、医療チーム(自己完結型)を早急に現場に投入し、傷者が災害現場での応急治療がまず行われ、その場所より安全で高度な医療を受けられる場所へ患者を輸送する後送を実施するため後送機関の後送能力諸元から後送機関の所要数、同時に支援可能距離も算定し航空機、車両、貨車、船舶等の座送と臥送の収容人員、後送能力諸元、SPECを表わしている。
また航空機の場合、巡航速力、航続距離、積載量や飛行場のキャパシティー、滑走路のレベルを医療資材搬送の所に列挙している。

災害時の必須医薬品においてはWHOの疾病構造-標準治療指針法(The Patient Morbidity-Standard Treatment Method)や災害の種類で使用した標準消費法(The Adjusted Consumption Method)で算出し1,000人に対しての数量が決められております。

災害時の血液バックアップ体制について日本赤十字社血液事業本部から資料を頂きまして東日本大震災のように大規模災害の場合におきましても、ブロックを越えて全国レベルでの連携を図り、安定供給に努められる頼もしい意見を頂きました。

ここに我が国でいつ起きても不思議でない人的災害(テロ)であるNBC戦の多量傷者の応急治療対処法も準備しておく事も重要であるので付け加えた。放射能戦については3.11東日本大震災に福島原発フォールアウト事案があり、低線量放射能粒子について提言しました。
またNBC戦でのノモグラムによる各死傷率についてはここでは公表しません。

航空無線電話通信の略号についてはルワンダ難民救援のとき難民キャンプとホームベース、移動車両にはセキュリティーのためUNHCRからコールサイン付与される。コールサインはゴマ市のGと所属NGO名AMDAでG(ゴルフ)AMDAと呼称する。
また、緊急事態においてはコールサインの前にGX(ゴルフ・エックスレイ)の略語を使用する事が決められる。この緊急事態の時は「魔のS字カーブ」で悪行高いザイル兵の追剥事件で使用した。
この様に国連機関の傘下に入れば、無線通信だけでなく地点はアルファベットのフォネテックコードで表わさなければならないし、旅客機の座席票もコードで添乗員の方々は確認を取っている。

大災害時におけるロジスティックの多量大型機材資材を効果的輸送の手段として、物量傘投下法を運用すべきである。ただし物量傘投下法は軍用機でないと投下できない事、ICAOでは通常では許可が出ません、大災害のときのみです。自衛隊に災害派遣が下れば可能な運用方法で記憶にとどめて於いて下さい。

-引用 -
YOUTUBE 国境なき医師団日本 チャンネルより

ロジスティックに基づく算定法

パプアニューギニア津波災害1998年7月18日に発生。ロジスティック算定法に基づく、この算定は前線医療活動、後方支援活動が被災現場で陸路ではアクセス出来ない状態があった。そのためLogisticsは空路の支援に頼らわなければならない。

まず2.5トンの資材輸送と多量傷者後送搬送をオーストラリア空軍のサポートが効果をもたらした。この調整をされた官庁諸官に対して感謝の意を申し上げたい。多量傷者の後送搬送についてC-130貨物輸送機での臥そう患者の実際の搬送は我が国に於いて無かったので大変貴重な資料を得た。
機内図は添付資料参考にしてください。この航空機の所要数の算定からも7月26日18時30分Vanimo General Hospitalから空輸された14人また7月28日17時30分Aitape Hospital(Health center)から空輸された31人が被災地Hospitalがそれぞれ異なっているので2回2日にわたり実施されたと思われる。Logistics学からも算定できC-130輸送機1機では無理なことが分かった。
2地区の被災地で要後送患者数14+31=44人とします。航空機の所要数の算定は?以下に航空機での算定方法を記載しております。

航空機の所要数の算定

後送機関所要数での算出式は以下のようになります。

要後送患者数 × 後送距離 × 2
------------------------------------------------
C × S × 稼働率 × 飛行時間 × (1-無効率)

C 1機の平均収容患者数
S 1時間の片道距離


設想

  1. 要後送患者数 44人
  2. 後送距離 150キロ(被災地からWEWAKまで)
  3. C−130輸送機の平均収容患者数臥送のみ 27人
  4. 1時間の片道距離 160km
  5. 稼働率 2/3
  6. 飛行時間 オペレーション間 4h/日
  7. 無効率 25%

設問

C-130輸送機の数は

算定

44(a) × 150(b) × 2
------------------------------------------------
27(c) × 160(d) × 2/3(e) × 4(f) × (1-0.25(f))

答え 1.52機

後送機関の後送能力諸元

陸上後送

輸送機関 1時間の護送
可能距離
患者搭載可能
臥送 座送 平均
陸上自衛隊 担架 4人搬送 通常の地形 1km往復 1 1
積雪30cm以下 0.5km往復
6人搬送 山地 1.2km方道
0.4km往復
スキー
担架
4人曳行 平たん、踏固め地 3km方道 1 1
平たん、新雪地 1〜2km方道
アキオ 平たん、踏固め地 3〜4km方道 1 1 1
平たん、新雪地 2km方道
救急車 3/4t 戦闘間師団地域内 8km往復 4 8 6
積雪30cm以下 5〜10km方道
トラック 1/4t 救急車3/4tに準ずる 2 2 2
3/4t 5 8 6
21/2t 8 16 17
特殊運搬車(MM) 1 1
装甲車 (60式)(APC) 2 8 5
雪上車 (60式、3t)
4〜6km往復 3 10 6
(60式、6t) 4 12 8
部外 手荷車 1 2
2輪荷車 馬車 2 6〜7 3
牛車 1 2
4輪荷車 馬車 2 9 4
牛車 1 4 2
そり 2 4 3
大型バス(改良) 12 34 23

鉄道後送及び船舶後送

鉄道後送
輸送機関(手段) 患者搭載可能数
臥送 座送 平均
客車 寝台車A ナロネ 20 18 18
22 22 22
マロネ 41 24 24
オロネ 10 28 28
ナロネ 21
寝台車B クハネ 581 33 33
モハネ 580、582 45 36
クハネ 583 39 39
モハネ 581、583 36 45
サハネ 581
オハネ 12 54 54
オハネフ 12、13
スハネ 16、30
ナハネ 20
グリーン車(各種) 44〜52 44〜52
普通車(各種) 88〜96 88〜96
ディーゼル動車 グリーン車(各種) 52〜64 52〜64
普通車(各種) 58〜84 58〜84
船舶後送
輸送機関(手段) 患者搭載可能数
臥送 座送 平均
陸上自衛隊渡河ボート   4〜7 15〜20 9〜14
海上自衛隊揚陸艇 (LCVP) 17 36 26
(小型)(LCU・6) 35 86 75
(中型)(LCU・1466) 200 300 250
JR連絡船   192 540 732

航空後送

輸送機関(手段) 患者搭載可能数 1hの後送 ※1
臥送 座送 平均 可能距離
陸上自衛隊 連絡機 L-19A及びE - 1 1 片道120km
LM-I及びII 1 3 2
LR-1 2 - 5 5
ヘリコプタ OH-6A - 3 3 片道80km
HU-1B 3 ※3 7 5
V-107 4 15 26 20
バートル(双)
海上自衛隊 輸送機 UF-2 5 2 4 6 片道160km
自衛隊 R4D-6 - 22 22
航空自衛隊 C-46 24 27 26
YS-11 6 ※6 44 25
C-130J 35 20 27
連絡機 MU-2B 2 - 5 5 片道120km
ヘリコプタ H-21D 12 20 15 片道80km
S-62A - 10 10
UH-1N - 14 14
AW101 - 30 30
CH-47(双) 24(添乗員2) 30 28
Mi-8MT 12 - 12
CH-53B 担架42
(衛生兵4)
37 37
EC-135(ドクターヘリ) 2 2 2
MCH-101(3基) - 30 30
SH-60K(双) - 12 12
MV-22B(オスプレイ) 担架12+9台
(衛生兵5)
36 - 片道180km

※1 見積のため数値とし、搭載、卸下の時間を含む
※2 MU-2の改造型
※3 臥送の際は、添乗員が別に搭乗できる
※4 空自にも装備がある
※5 臥座併用
※6 臥座の際は、8名の座席が別にある

後送機関所要数

後送機関所要数の算定

要後送患者数 × 後送距離
------------------------------------------------
C × S × 稼働率 × 稼働時間

C 護送機関1台の平均収容患者数
S 1時間の往復可能距離

設想

  1. 要後送患者数 325名
  2. 後送距離 251km
  3. 救急車(3/4t)の平均収容患者数 6人
  4. 1hの往復可能距離 8km
  5. 稼働率 75%
  6. 稼働時間 10h

設問

救急車の所要数

算定

算定式の各項目に当てはめ算出します。

325(a) × 251(b)
------------------------------------------------
6(c) × 8(d) × 0.75(e) × 10(f)

答え 約23両

支援可能距離

支援可能距離の算出

C × S × 稼働時間 × 稼働率 ×T
------------------------------------------------
要後送患者数

C 後送機関1台の平均収容患者数
S 1時間の往復可能距離
T 部隊保有の救急車数

設想

  1. 要後送患者数 300名
  2. 救急車(3/4t)の平均収容患者数 6人
  3. 1hの往復可能距離 8km
  4. 稼働率 75%
  5. 稼働時問 10h
  6. 師団衛生隊1個小隊の救急車 16両

設問

支援可能距離

算定

算定式の各項目に当てはめ算出します。

8(c) × 10(e) × 6(b) × 16(f) × 0.75(d)
------------------------------------------------
300(a)

答え 約19Km

※ この計算は単に時間的、距離的可能性を見積もったもので実際の後送可能距離は、患者の症状、処置の程度を考慮して決定しなければならない。

後送機関所要数

航空機の所要数の算定

要後送患者数 × 後送距離 × 2
------------------------------------------------
C × S × 稼動率 × 飛行寺間 × (1-無効率)

C 1機の平均収容患者数
S 1時問の片道距離

設想

  1. 要後送患者数 50名
  2. 後送距離 100Km
  3. ヘリコプタ(HU-1B)の平均収容患者数 5名
  4. 1時間の片道距離 80Km
  5. 稼働率 2/3
  6. 飛行時間 作戦間4h/日
  7. 無劾率 25%

設問

ヘリコプタ(HU-1B)の所要数

算定

算定式の各項目に当てはめ算出します。

50(a) × 100(b) × 2
------------------------------------------------
5(c) × 80(d) × 2/3(e) × 4(f) × (1-0.25(g))

答え 約13機

多量傷者運搬法と患者集合点

多量傷者が発生した場合、まず、患者集合地点から後送距離と後送車両・航空機での系統の一例 多量傷者運搬法と患者集合点 図解を説明します。大規模災害が発生しますと被災地現場、被災予想地点をファイヤーラインとしその地点から0.5kmに患者集合点をハザードマップに避難所と同じくプロットしておくことを強く要望する。
避難所は治療収容所となる。この患者集合点に傷者は自力徒歩、他力(ファイヤーマンキャリ、担架、戸板、毛布キャリ等)により集合しトリアージタックによる患者登録を行い自力徒歩、他力で避難所(治療収容所)に向かう。
患者集合点と避難所(治療収容所)との通信の確保(低電力のトランシーバ)が必要です。

担架について

地形条件 1担架の持ち手 臥そう 搬送可能距離
通常時 4人 1人 往復1km
積雪30cm以下 4人 1人 往復0.5km
山地 6人 1人 往復0.4km

多量大型機材資材を効果的輸送の手段

重物料投下器材_降下中_装備

大災害時におけるロジスティックの多量大型機材資材を効果的輸送の手段として、この物量傘投下法を運用すべきである。
特にピンポイントで、ソフトランデイングに目的地へ物資を安全に破損なく投下搬送することである。また被災地から離れた所で調達梱包でき、物資が豊富であり余裕のある準備ができる事である。
この方法は、初任幹部で京都海上自衛隊舞鶴地区病院の直属の上司からワクチンと血液の物量傘を実施試みよと指示があったので、物量傘というロジステックを知った。
この手法を東日本大災害で使えばかなりの成果があった。
以下、物量傘の説明はWikipediaより引用。

ヨルダン国ガサ病院物量傘

重物料投下器材(じゅうぶつりょうとうかきざい)は、陸上自衛隊の装備。
空挺部隊に配備される。重量が250kg以上の物品、車両などを梱包、搭載して航空機から地上へ投下する。一定の速度になると内蔵された傘が開き、着地する。
プラットホーム本体の内部構造はハニカム形式(蜂の巣のようになっている)で着地時の衝撃を和らげる構造となっている。
また、積載された装備品や補給品の衝撃緩衝材として紙ハニカム(ダンボール製)を要所に配置する。

諸元

ラットホーム投下方式(PDS)
投下用具1〜3号 (C-1輸送機用)
  • 投下重量:1〜4t
  • 最低投下高度:300m
  • 落下速度:6〜9m/秒
  • 開傘常用機速:240km/h
投下用具特1〜4号 (C-130輸送機用)
  • 投下重量:1〜16t
  • 最低投下高度:300m
  • 落下速度:6〜9m/秒
  • 開傘常用機速:240km/h
大型投下容器投下方式(CDS)
大型投下容器
  • 投下重量:0.25〜1t
  • 最低投下高度:180m
  • 落下速度:6〜9m/秒
  • 開傘常用機速:240km/h

製作

  • 新明和工業 (プラットホーム投下方式)
  • 藤倉航装 (大型投下容器投下方式)

-引用 -
「重物量投下器材」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』より一部引用
"最終更新 2010年8月3日 (火) 11:37" UTC
URL: http://ja.wikipedia.org/