CDCによる生物テロに使用可能な生物剤

自衛隊中央病院 箱崎 幸也・越智 文雄・宇都宮 勝之

CDCによる生物テロに使用可能な生物剤/関連疾患のカテゴリー分類(※1)

カテゴリーA 現在国の安全保障に影響を及ぼす最優先の病原体で、
  • 容易に人から人へ伝播される
  • 高い死亡率
  • 社会的パニックや混乱を起こすおそれがあり、公衆衛生上の影響が非常に大きい。

  1. Variola major(天然痘)
  2. Bacillus anthracis(炭疽)
  3. Yersinia pestis(ペスト)
  4. Fracisella tularensis(野兎病)
  5. Clostridium botulinum毒素(ボツリヌス症)
  6. Filoviruses and Arenaviruses(フィロウイルス,アレナウイルス)
    (エボラ出血熱、マールブルグ出血熱、ラッサ熱などのウイルス性出血熱)
カテゴリーB 第二優先対策の病原体で、
  • 比較的容易に伝播される
  • 中程度の感染率だが死亡率は低い
  • 疾病サーベイランス強化を必要とする。

  1. Coxiella burnetti(Q熱)
  2. Brucella app.(ブルセラ症)
  3. Burkholderia mallei(鼻疽)
  4. A lphaviruses(ベネズエラ馬脳炎など)
  5. Toxins(リシン、ブドウ球菌エンテロトキシンBなど)
準リストB 食品や水で媒介される病原体
  1. Salmonella spp.(腸チフス)
  2. Escherichia coli O157:H7(腸管出血性大腸菌症)
  3. Vibrio cholerae(コレラ)
  4. Cryptosporidium parvum(クリプトスポリジウム症)
カテゴリーC 将来危険となりうる病原体は、
  • 入手・生産・散布が容易
  • 高い感染率と死亡率
  • 広範囲に散布可能で公衆衛生上大きな影響を与えうる。

  1. Nipah virus(ニパ脳炎)
  2. Hantavirus(腎症候性出血熱、ハンタウイルス肺症候群)
  3. ダニ媒介性脳炎ウイルス(ダニ媒介性脳炎)
  4. 黄熱病ウイルス(黄熱病)
  5. 多剤耐性結核菌(多剤耐性結核)